DNA



熱にうなされている間、今は売られてしまった家に残してきた物達の事がいくつか思い出されて切なくなった事がございました。精一杯持ち出し、あとは諦めて置いてきたつもりだったのですが。
「日本人は昔から天災に見舞われては全てを失う、という歴史を繰り返してきているので、何かを失っても耐える事のできるDNAを祖先から受け継いでいる」という説があるそうで、私はこの説を信じております。今、これを失ったら生きてはいけない、と思えるのは大切な人の命、ぐらいでしょうか。物は何を失ってもそれはご縁のなかった物、と諦めることができるように思います。
夢に出てきた物たち。失った事が悲しいというよりも、きちんとさようならを、お弔いを、してあげられなかった事が心残りであったのだと思います。可哀相なことをしました、ごめんなさい。ここで謝っても仕方がないのですが。