贅沢な一時



その帰り、ちょうどいただいた招待券がございましたので大倉集古館へ。開催中の「大倉喜八郎コレクションII 浄瑠璃本と江戸文化」を見てまいりました。平日午前中の集古館は訪れる人も少なく、貸切状態。さっと見れば10分ほどで回れてしまう規模の館内ですが、1時間ほどかけてじっくり鑑賞。印象に残っておりますのは、中国・清の、水牛の顔を持ち、更に9つの顔と32本の手、16本の足を持つ『怖畏金剛像』や、繊細でありながらほのぼのとした『四季の若草図巻』、現在の東京の風景と重ね合わせると驚きの、広重の『江戸名所四十八景』。そう、『百鬼夜行図』は英訳すると[Night Procession of Various Demons]なのですね。
9月に見にまいりました「RIMPA展」のような大きな催しは、豪華な作品をまとめて見る事ができるのは嬉しいのですが、それだけに人も多くてまるでお祭か縁日のような賑わい。一人で心静かにゆったりと美術品を鑑賞する事のできる空間、というのもなんとも贅沢でよいものです。