声を出さずに…



不思議なシステムのお店があるものなのですね。昨日、ちょうどお昼時に上野を歩いておりまして。通りかかりました『一蘭』というラーメン屋さんへ入ってみる事にいたしました。そうそう、ジャズが流れているかしら?と期待したのですが、残念ながら店内には日本のポップスがお琴の音色で流れておりました。
で、不思議なシステムとは。まず、注文は券売機で食券を買い求めます。これは普通。次に、手渡されましたオーダー用紙に、「味の濃さ、こってり度、にんにく、ネギ、チャーシュー、秘伝のたれの有無、麺のかたさ」を、選んで丸印を付けておきます。食券とオーダー用紙を手に案内された席は「食べる時に顔が誰にも見られない半個室の席で、周りを一切気にせず、味だけに集中して召し上がっていただけます」という“味集中カウンター”。席の両脇に仕切り、正面にはのれんと御簾が降りておりまして、注文を確認する店員さんの顔すら見えません。席には蛇口もあり、お冷やも自分で注いで飲みます。
ラーメンを待っております間、仕切りに書かれた説明を読みますと、「声を出さずに替玉注文」と。何のことかと読み進めますと、「女性お一人でも羞恥心を感じることなく、思う存分食べていただけるシステム」だとか。はし袋が追加注文用紙となっておりまして、それを呼び出しボタンを押して従業員に手渡せば、声を出さずに替玉が注文できる、と。
声を出さず、視線も合わせず、食べる事のできるラーメン。いやはや。不思議なシステム、不自然な空間。ラーメンは好みの味ではなかったのですが、このシステムを誰かに見せたいが為に、また訪れる事があるかもしれません。「悪い子にはお仕置きをしないとね。さあ、大きな声で替玉を注文して…」などという使い方もできるやも。
「こだわりのシステム」をご覧いただくと、いかに不思議な空間かをお解りいただけるかと。http://www.ichiran.co.jp/index.html