見事な後始末



千代田戦車内、おお、なんという変換。元い。千代田線車内で、まだお昼前だというのに、正面に座った真っ赤なランニングに紫のパンツ、南米系の気怠さを漂わせた黒人の男性が一人、缶チューハイを飲んでおりました。

暫くして手を滑らせたのか床に缶を落としてしまい、すぐに拾い上げたにもかかわらず、大量のチューハイがこぼれてしまったのです。どんどん流れて広がっていく水たまりを見つめ、途方に暮れております。考え込むこと暫し。以前に同じような状況で、知らんぷりして降りていってしまった酔客を見かけた事があるのですが、彼は違いました。

日本語は堪能なようで、隣の女性に「ティッシュありますか」と声をかけ「持っていません」と言われると更にその隣の女性に「ティッシュありませんか」と。周りの乗客が次々にバッグからポケットティッシュを出し彼に手渡します。で、彼は流れていった一番先端から長い時間をかけて床にこぼれたチューハイをきれいにふき取り、持っていたコンビニのポリ袋にティッシュを入れ、何もなかったかのように元の座席に。また、昼下がりのハバナのような(一度も訪れたことはないのですが)気怠さを漂わせながら、なんと懲りずにもう一缶持っていたチューハイを飲み始めたのでした。