車泥棒



外国人による荒っぽい手口の犯罪が、連日ニュースで伝えられてりますが、私も数年前に一度たいへん怖い経験をした事がございます。その頃住んでおりました家には駐車場が一台分しかございませんで、歩いて1分ほどの家から見える場所にもう一台分借りて私の車を駐車しておりました。

ある夜のこと、たしか車検証でしたかが必要になり、一人でその駐車場に書類を取りにまいりました。キーレスでしたので、5メートルほど手前からリモコンで鍵を開けようとすると、カチャっという音はしたのに、いつもは点灯する灯りが付きません。あら?と思い、もう一度キーのスイッチを押すと、カチャっと今度は灯りが付きました。ん?という事は、最初はロックされていなかったということ?などと思いながら車に近付いてまいりますと、運転席にむっくりと起き上がる男性の人影が。「うわっ!きゃあ!」と、もうそれこそ必死で自宅に向かって走り出しました。途中で背後からバタンと車のドアが閉まる音がしたのですが、怖くて振り返る事も出来ず、まさに命辛辛(いのちからがら、ってこう書くのですね)なんとか無事、家に走り込んだのでした。

その後、警察に連絡をし、現場検証の結果は車泥棒。もう少しでエンジンがかかり、持って行かれてしまうところだったとか。売り物にするためか車に傷をつけないように、丁寧に、几帳面に部品が外されておりました。手口からみておそらく外国人の窃盗団で、近くにトラックが待機していて、そのトラックで盗んだ車を港に運び、その日のうちに船に積み込んでしまうのだとか。車泥棒とはいえ、なんらかの凶器を持っていたかもしれませんもの。怖い思いはいたしましたが、痛い思いをせずに済みましたのは不幸中の幸い、でございました。