ソナタ 月光


SONATA QUASI UNA FANTASIA

久しぶりに、月の光と名付けられた曲のご紹介を。ベートーヴェンLudwig van Beethoven)のピアノソナタ第14番 嬰ハ短調『月光』op.27-2。通称『月光ソナタ』です。

ベートーヴェンピアノソナタは全32曲。その中でもこの14番は一番人気があり、特に第一楽章は映画やドラマのBGMとしても良く使われておりますので、必ず一度は耳にされた事がおありかと思います。
私は観ておりませんが、現在公開中「愛しているなら、電話に出て・・・」という怖いキャッチの『ボイス』という韓国のホラー映画でも使われているとか。

以前、小学生にベートーヴェンの『エリーゼのために』を弾いてあげたところ「怖い」と言うので「どうして?」と聞くと「学校の怪談、を思い出すから」と。またまた『月光』を聴いてホラー映画を思い出してしまう方が増えてしまうのは、もったいないような気もいたします。美しいメロディーですのに。

この『月光』という表題はベートーヴェンが付けたものではなく、後にレルシュタープという詩人が、第1楽章を聴き「月夜、スイスのルツェルン湖のさざ波にたゆとう小舟のごとく・・・」と表現したことから、このように呼ばれるようになったと言われています。


私がこの曲を初めて弾いたのは、小学校4年生の時。学校の図書館から借りて帰ったベートーヴェンの伝記に一楽章の出だしの部分の楽譜が載っていて、それを試しに弾いてみたら弾けてしまってとても嬉しかったのを覚えています。それまで、ソナチネやブルグミュラーのようなお子ちゃま向けの曲しか弾いた事がなかったものですから、ちょっぴり大人の世界を覗いたようで・・・。