白いぼうし


「これは、レモンのにおいですか?」
ほりばたでのせたお客のしんしが、はなしかけました。
「いいえ、夏みかんですよ。」
しんごうが赤なので、ブレーキをかけてから、うんてんしゅの松井さんは、
にこにこしてこたえました。



そうです。このお話です。先日日記に書き、あんなにあやふやで、しかも記憶違いもいっぱいありましたのに、id:DocSeriさんが題名を教えて下さった、思い出せなかった物語。あまんきみこの「白いぼうし」。図書館で読んでまいりました。懐かしかったです。このお話をお勉強いたしましたのは、確か小学校の4年の春、一番最初の国語の授業でした。

それまで、どちらかというと内気で、自分から手を上げて発表するという事はほとんどした事がありませんでした。もっと積極的に、と先生から注意をされるぐらい。それが、このお話にすっかり魅せられてしまった私は、先生が出される質問全てに手をあげ、ほとんど一人で答えてしまったんです。先生が「他にわかる人はいませんか?」とおっしゃるぐらい。

で、その授業のすぐ後に学級委員を決める会が開かれたんですね。そして投票の結果女子(懐かしい響き)は私が選ばれました。もうもうびっくり。給食が食べきれないといっては毎日ぐすぐす泣き、保健室が好きで「あまりここへばかり来てはいけませんよ」などと保健の先生に注意されていた女の子が、突然学級委員。ちょうどクラス替えがあったばかり。たいへんな勢いで発表し続ける私を、みんな勘違いしてしまったようです。

これがきっかけで、泣いてばかりもいられなくなり、騒がしい男子に「静かにしてくださーい!」などと一人前に注意もするようになり、その後6年生までずっと毎年学級委員をする事になりました。器が人を変えていくという事もあるのですね。という事で「白いぼうし」私の性格形成に大きな影響を与える事になった思い出深い物語なのです。DocSeriさん、ありがとうございました。



夜のチューリップ