伯母とAちゃん



伯母と従姉が予定通り遊びにまいりました。二人ともお変わりなくお元気でなにより。
従姉のAちゃんは高校の音楽部の同窓会に出席をしての帰りとのこと。なんとあの坂本龍一氏が二年後輩。同窓会でのツーショット写真を見せてくれまして、それだけでも羨まし過ぎるのに、50名ほどの出席者の前で、「皆さんのために」とオリジナル曲のピアノ演奏までしてくれたとのこと。なんと贅沢な会。きゃあきゃあ言っておりましたら、「坂本君、気さくでとってもいい人なのよ。emimiちゃん、そんなに好きなら来年も同窓会はあるから声をかけるわ。」と。まさか出席はできませんので、会場の扉に耳を付けて、微かに漏れるピアノの音色だけでもせめて聴かせていだきたいです。会場のスタッフにつまみ出されそうですが。
さて、この日ちょうど85歳の誕生日を迎えたという伯母は相変わらずの超早口で、「もう、85歳の誕生日なんて、長く生きてきましたけど始めて!」。少しボケが始まり無口になってしまった父には、「Sちゃん、まあ、すーっかり大人しくなっちゃって!あなたは昔からニコニコニコニコしていてみんなに可愛がれて幸せものでした。勉強が嫌いで嫌いで、勉強をしている姿を私は見たことがないわ。だいたい遊んでばかりでほとんど家にいなかったし。兄はいつでも一番、どこへ行っても二番になったことのないすっごい秀才でしたが、あなたは平凡でねー。なーんも勉強もしないで立派な大学に入れたのは、運が良かったからね」。母には「あらっ、あらっ、Cさん、太ってしまって。私もうびっくりしました。別人かと思いました。あらー、昔はモデルのように細くてスタイルが良かったのに。でも見て、そのセンスの良さ。相変わらずお洒落だわあ」。「この前ケアマネージャーが家にチェックに来た時に、ちょっと無理して、すっと立ったり、すたすた歩いて見せたのは失敗だったわね。次はこう、うまいこと、よろよろっとしてみせんとだめだわ、ね?A」、……とひたすらこの調子でしゃべり続け。耳はやや遠いものの、85歳とはとても思えない素晴らしい頭の回転の速さとパワー。言いたい放題なのですが、明るくて可愛らしい性格だからか厭味には聞こえません。
そして、まるで鈴木真砂女さんの句のように、「これまでいろいろ苦労もありましたけど、今が一番幸せ!」、と笑顔で繰り返す伯母。長生きをするとしたら、このように元気に年を重ねたい、そう思わせる伯母の姿でした。