山崎



この日は、もしかしたらご挨拶回りなどもあるかも、と夕方の新幹線を予約してあったのですが、ピアニスト1も後援会長も早い時間からレッスンの予定が入っているとのこと。それでは、夕方まで一人で何をして過ごしましょう。京都、奈良、神戸…、あれこれ迷ったのですが、一度訪れてみたかった山崎へ行ってみることに。
山崎には、アサヒビール 大山崎山荘美術館サントリー山崎蒸留所があり、どちらも訪れてみたいと思いながら、なかなか機会を持てずにおりました。
新大阪駅のコインロッカーに荷物を預け、東海道山陽本線の快速で20分ほどの山崎へ。まずは、車窓からも確認のできましたサントリー山崎蒸留所(サントリー山崎蒸溜所)へ。山崎駅からてくてく歩いて10分ほど。受付で『ウイスキー蒸留所ガイドツアー』を申し込み、ガイドツアーのスタート地点となるウイスキー館へ。私が申し込みました回は人数が少なめとのことで、参加は15名ほど。

ガイドのお美しい女性の案内で、仕込み・発酵室、蒸留室、貯蔵庫、などを見学しながら、ウイスキーの原料、製麦、仕込、発酵、二度の蒸留、貯蔵、そしてブレンドなどについて学んでまいります。楽しい。
一年で一番樽からウイスキーが蒸発する夏ということもあり、貯蔵庫には華やかなウイスキーの香りが立ち込め、元飲兵衛といたしましては幸せに満ちた空間。思わず深呼吸。
1時間のガイドツアーの内、後半30分は試飲会。なっちゃん伊右衛門などのソフトドリンクも用意されてはおりまして、当初はこちらをいただく心づもりでおりましたが、やはり、ねえ。山崎12年と、白州、そして美味しい水と氷が目の前に並んでおりまして、更に、「残してもよいので是非」、と進められましたらお断りいたしますのもなんですので、少しだけ、いただいてまいりました。嗚呼…。水が良いからでしょうか、素晴らしく美味しい水割り。幸せ幸せ。ハイボールも美味しくて、幸せ幸せ。
すっかり良い気分で蒸留所を後にいたしまして、山崎駅へ。ちょうど到着いたしました送迎バスに乗り込み、車ですと3分ほどの距離にございます、アサヒビール 大山崎山荘美術館アサヒビール大山崎山荘美術館)へ。

バスを降り、琅玕洞(ろうかんどう)と呼ばれるトンネルを潜り、鬱蒼と木々の茂る庭園をゆっくりと歩いてまいりますと、イギリス・チューダー様式の山荘である本館が見えてまいります。この美しい建物は、加賀証券やニッカウヰスキーで知られる実業家・加賀正太郎が1932年の昭和初期に完成させた建物で、1995年に増設されました安藤忠雄設計による現代建築、『地中の宝石箱』と呼ばれる新館とともに公開されています。
こちらの美術館では、撮影が許されておりますのは外観のみ。お伝えすることができないのが残念なほど美しい建物内部には、椅子やソファーも多く用意されておりまして、飾り窓から差し込む木漏れ日を見つめつつ、静かに過ごすことも。

二階には喫茶スペースもあり、テラス席では、心地よい風を頬に感じながらのんびりとお茶の時間を楽しむこともできます。テラスからの景観の素晴らしいこと。
大山崎山荘美術館のコレクションは、アサヒビールの創業者である関西の実業家・山本為三郎の収集したコレクションを中心に、民藝運動に参加した河井𥶡次郎、濱田庄司、バーナード・リーチ、芹沢硑介の作品や、新館では印象派のクロード・モネの代表作として知られる『睡蓮』の連作を展示。現在開催中の企画展は、『かおかたち無限大』。モディリアーニゴッホ、などが描いた、たくさんの『顔』に会うことができます。
展示を見た後は、再び庭園を散策。憧れの地、山崎を満喫いたしまして、新大阪へ。そして東京へ、戻ってまいりました。