バリ 四日目





画像左から、バンガローの部屋の高い天井。このように開放的な作りですので、風が心地よく吹き抜けるだけではなく、様々な生き物達が自由に出入りを。その隣は、テラスとは反対、ドアを出た外廊下からの眺め。ぼーっとするのにぴったりの東屋。
今回の旅行記、各日、最初の5枚の画像は全てIさんのロスメンのもの。何気ない通路もコンクリートを打つだけではなく、色の違う石などを上手に使い、生き物、植物などを描き、さりげなく飾ってあるところからも、バリの人々の繊細な美意識が感じられます。







午前中は特に予定もございませんでしたので、朝食後ルピア調達も兼ね、ロスメンから歩いて1、2分のところにございますスーパーマーケットへ。どこの国を訪れましても、スーパーマーケットでの買い物というのはわくわくするもの。見た事もないような果物、野菜、魚、調味料、お菓子、化粧品、そして何に使うのかも判らないような不思議な品々。このケーキなど、舌に青と赤の色素が沈着して紫色になってしまいそうではありませんか。お味が気になるところですが、試しに買い求める勇気もございませんで。子供向けの乗り物も、慎重派の私の孫など、絶対にイヤイヤをするであろう色合いと表情。ウサギさんの他に、ゾウ、パンダなど5台ほど並んでおりましたが、それぞれがそれぞれに怖く、思わず立ちつくして見入ってしまったほど。どのような動きをするのか気になるところではございましたが、こちらも試しに乗ってみる勇気はございませんで。
さて、バリで両替いたしますと現在1万円が125万ルピアほど。両替所で1枚のお札を渡しますと、札束で戻ってまいりまして気分は俄長者。最初はゼロを読み取る能力が低く、支払う時に、ええとこれでいいのかしら?などと一桁違うお札を出してしまうことも。感覚が慣れてまいりますと、ゼロを2つ取ってやや少なめとして日本円に換算するということもスムーズに出来るように。今回、行動を共にすることが多かったおば様組は、細かいことをぐちぐち言わない気持のいい方ばかり。タクシー代、レストランでの支払い、美術館の入場料など、一々一人ひとりがお財布からがさがさお札を出すのも面倒、と公金を集め、そこから支払う方式に。これがなかなかスマートで便利な良いシステム、でございました。





ランチは昨日お約束いたしました、バリに嫁がれたKさんと共に、たいへん眺めの良いホテルのレストランで。今日も、バリの正装、クバヤがお似合いで仕草も美しく、なんとも魅力的。それでもちょっと「王家に嫁ぎましたのほほほ…」という気取った方なのかと思いましたら、お話を伺ってびっくり。なんとも気さくでユーモアがあり、頭の回転が早く仕事ができる、という印象の素敵な女性。日本に婚約者がありながら強く望まれバリに嫁ぐことになった経緯、お義父さまには第一夫人から第三夫人までいたため姑が三人もいたがその方たちがしっかりとKさんを守ってくださったお話、慣れない生活でのご苦労とそれが原因で病に倒れられたこと、そこから多くの人たちの支えによって立ち直り今に至っているというお話、あのバリ舞踊独特の目の動き、手の柔らかさを鍛えるための赤ちゃんの頃からの訓練方法、などなど。もうそれだけで本が一冊書けてしまいそうなほどの興味深いお話をたくさん伺うことが。
Kさんは、儀式、約束事の多い名門を守る妻としての役目、三人の息子さん達を立派な跡継ぎとするべく教育をする役目、そして、私達も拝見いたしましたマンデラ家が主宰するプリアタン歌舞団の運営に携わるほか、ザ・ロイヤル・ピタ・マハをはじめウブドにある3つの高級ホテルのパブリック&ゲスト・コーディネーターとして多忙な毎日を送っていらっしゃるとのこと。世界の観光地の中には、観光客が訪れることにより悪い方向に向かってしまうところもあるが、バリは違う。なるべく多くの観光客がバリを訪れることが、バリの伝統文化を支えることになる、とのお話。実際、伝統芸能を継承していくのには莫大な資金が必要。インドネシア政府はお金がなく、政府からの援助は一切ないのだそうです。Kさんも、他のビジネスで資金を調達をして、プリアタン歌舞団を守り続けていくべく、努力を重ねていらっしゃるとのこと。
さて、Kさんが関わっていらっしゃるこちらのザ・ロイヤル・ピタ・マハにはバリ一、世界一とも言われておりますKスパがございます。すっかりバリのスパの魅力に取り付かれてしまったおば様組から、3名がこの日は超豪華Kスパで至福のひと時を過ごすことに。私はすでに予約を入れてしまっておりましたこともあり、一昨日と同じお値打ちJスパへ再び。
画像の左から二枚目、車寄せへ向かいます途中、豪華な彫刻に思わずカメラを向けてしまいましたが、撮影後、良く見ましたところなんとお手洗い。





Jスパにて、今回はスキン・スクラブとクリーム・トリートメントの2時間コース。「ゼンブヌイデコレヲハイテクダサイ」と紙製の黒いブルマのようなパンツを手渡され、少々情けない姿で台にうつ伏せ。スクラブを使い、ごしごしと時間をたっぷりかけて全身つるつるに。きれいにスクラブを洗い流したあとは、バリの花々からつくったというローションでマッサージ。ああ、蕩けそう。クリーム・トリートメントは髪と頭皮のお手入れ。シャンプー後、トリートメント、マッサージ、そしてブローで仕上げて髪もサラサラ。最高です。
さて、前回Jスパにご一緒し、この日、Kスパを体験されたOさんによりますと、「とても良い経験でした。でも、Kスパは一度でいい、かな。使っているのが全て資生堂製なので流石、という効果はあったが、Kスパ一回分の料金で、Jスパならば10回以上行ける。私はそちらを選ぶ」、と。なるほど。とても参考になるご意見でございました。
さてさて。この日、どうしてもバリの正装、クバヤが欲しくなり、宿に戻りましてから、Iさんはバティックのショップも敷地内に持っておりますので、そちらでバティックとクバヤ用の布を購入し、超特急コースで仕上げていただくことに。布が決まりましたら早速、次男のお嫁さん運転する車で、近くの小さな仕立て屋さんへ。手馴れたもので、ぱぱっと数ヶ所採寸をいたしまして、首周りのデザイン、襟の有無、裾の長さなど、フィットするタイプがゆったりとしたタイプかなどを決め、翌日までに縫い上げてくださるとのこと。ありがたいことです。
宿に戻りましてからすぐに、『カエルのダンス』のディナーショーを見るために、昨日ランチをいただきましたレストランFに向けて出発。子供が中心の可愛らしいダンスと食事を楽しんだのち、近くの村で開催をされるというお祭を見学に行くことに。案内役を買って出てくださったIさんも全身真っ白の正装。褐色の肌によくお似合いです。
お祭が開かれるお寺の周りは地元の人々で大賑わい。お年寄りから、よちよち歩きの子供まで、全員びしっと正装をしておりまして見事。神に祈りを捧げたり、大きなお供えを頭に載せて運んだり、ガムランやダンスを楽しんだり。ここでも、正装をしていない私達は寺院の中には入ることができず。やはり、次回バリを訪れる機会を持つことができましたら是非、クバヤとサロンを身に着けて寺院を訪れたいと。
今日も一日、楽しゅうございました。これだけ毎日動き回りましても少しも疲れを感じないのは、おそらく、気持ちよいこと、好きなことばかりをして過ごしておりますからでしょう。