ミンクに負ける



初めてミンクのロングコートを着て出かけてみました。うーん、何と申しましょうか。コートがゴージャス過ぎて着負けしている感じがいたしましたのもそうなのですが、感想は、重い、そして暑い。
ずしっと重い。肩に重くのしかかる重責、というのはこのようなものかしら、と。コートを着て鏡に映った姿を見るとなんですか姿勢がよくない。そう、コートの重さに負けて猫背なってしまっているんですね。おお、これではいけない、と、ぐっと背骨を反らせて姿勢を正しますが、気をぬくとまた猫背に。またぐっと背筋を伸ばす。まるで"大リーグボール養成ギブス"ならぬ"伸びた背筋養成ギブス"を装着しているかのよう。(「お、重いよ、父ちゃん」。いえ、この場合「母ちゃん」、でしょうか。)
そして暑い。やはり極寒の地の人々が身に付けているのが理解できる暖かさ。冷たい北風も、強いビル風もなんのその、ぽかぽかと快適。ですが、1歩、通路、建物の中に入ったり、電車などに乗り込みますとコートの中はサウナか、はたまた汗蒸幕(ハンジュンマク)か。脱いでしまおうかとも思うのですが、嵩張るし、重い。ので頑張って着たままでいると暑い。
やはり、このコートは一度母に返すことにいたしましょう。シベリア転勤にでもなりましたらまた。