柊の花



柊、ヒイラギの花。葉の陰に、目立たぬようにひっそりと小さく清楚な白い花を咲かせ、えも言われぬよい香りを微かに漂わせる。
大好きな花ですので、もしも「君はまるで柊の“花”のようだね」、と言われたら喜んでしまいそうですが、これが「君は柊のようだね」ですと一文字違いで大違い。葉にはたくさんの棘があり、近付こうとしても刺して傷付けてしまう、ということですもの。
あ、でもそう考えますと、「君はまるでバラの花のようだね」という言葉も、バラも花には棘があるわけではありませんので、棘のある茎も含めてのバラ。柊も棘のある葉を含めての柊、と考えるべきなのでしょう。「君はバラの花のようだ」、と言われるのは想像いたしますに華やかで美しく棘のある女性。地味で目立たないのに美しく棘のある女性は、「柊の花」に譬えたらよろしいのやも。