白鳥



ピアニスト2のソロリサイタル。お蔭様で成功裡に終えることができました。お暑い中、たくさんのお客様に足をお運びいただきまして、ありがとうございました。関係各位に心よりの感謝を。
私が申し上げるのもなんなのですが、ピアニスト2ほど弾き姿の美しいピアニストを私は知りません。一見冷たい印象さえ与えるほどの整い過ぎた容貌。自分で組んだとはいえ、評論家も仰け反る過酷なプログラムを、乱れることもなく知的に優雅に演奏をする姿。
全てのプログラムと、アンコール曲2曲を弾き終え、舞台袖の床に倒れ伏す姿はまるで、機織を終えた『夕鶴』のつうのよう。力を使い果たし、なかなか立ち上がることすらできなくても、なんとか這うように楽屋に戻り、気持ちと姿を整え、再び涼しい顔で微笑みさえ浮かべつつサイン会へ。
一滴の汗すらかいていないように見える、まるで湖上の白鳥のような優雅な姿は、今後も彼女の魅力の1つとなってまいりますでしょう。そして見えない水面下での足掻きのような、真摯に音楽に向き合い、もっともっと深く音楽を掘り下げたいという欲求と、日々の弛まぬ努力。クールな印象に反し、話をいたしますと、ごくごく普通の謙虚で可愛らしい女性であるというギャップ。
「一人でも多くの人にクラシック音楽の良さ、ピアノの素晴らしさを伝えたい」、という想いは、きっと叶えられると私は信じております。
千晴ちゃん、コンサートの成功おめでとう。本当に、本当に良く頑張りました。