細やかな復讐



どういう訳か、社長は私のゴミ箱にゴミを捨てるのです。私の、と申しましても、会社は社長のものなのですから、会社のゴミ箱は全て社長所有のゴミ箱ではあるのですが。とは申しましても、大きなゴミ箱の他に、各自が使っているゴミ箱があるのですから、私の机の横にあるゴミ箱は私のゴミ箱、と考えたい。
机の足元に隠してみたり、社長から遠い側に置いてみたりするのですが、ゴミが捨てにくく、どうしてもまた机の右側、定位置へ。そうすると、あっという間に、社長が出したゴミで私のゴミ箱はいっぱいに。わざわざ席を立ってまで、ばさばさと私のゴミ箱に捨てるのはいったい何ゆえ?がるるる…。ということで、社長が煙草を吸いに席を立った隙などを狙って、社長のゴミ箱にゴミを捨ててみたりいたしまして、細やかな復讐を。
さて、孫の話ですが、保育園でほぼ同じ月例ではあるものの、ハーフの女の子で体も大きいJちゃんにやや押され気味。お気に入りの赤い自動車の玩具を、いつも横から取られてしまうので、もう、Jちゃんが近付いてきただけで、むきーっ!っと威嚇をし、取られないように頑張るという、猿山の猿ような日々を送っているとのこと。
そんな孫も、食事の時間に、Jちゃんの隙をついてはスプーンを取り上げ、思い切り遠くに放り投げるという、ささやかな復讐を試みているのだそうです。頑張れ、孫。おばあちゃまも頑張る。