怖かった



実家に戻りますのに、乃木坂の駅で電車の到着を待ちながら、例の下巻から読み始めてしまった本の上巻をを読んでおりますと、なにやら感じる粘ついた視線。視線が合うと困るのではっきりとは確認できませんが、斜め前方に立っている男性がじっとこちらを見つめております。
10秒、20秒…。周囲に人影もなくなり、これはちょっと困った状況だわ、と背中を向けたところ、すっと近づいてくるではありませんか。うわぁ、と思わず顔を見ると、少々病んだように見える表情をにやっとさせ、「最近、秋葉原も危ないみたいだね…」、とぼそり。ひぃ。無視するのもよくないかと、「はい?!そのようですね」、と目を逸らし本を読み始めますと、表情がすっと陰り、くるっと背を向けて立ち去って行きました。ブルーのTシャツにジーンズ、リュックといういでたちの30代ぐらいの男性。
もう、怖いったら。何故、乃木坂駅で、選りに選って私に秋葉原の話を。