ロシアの香り、と紙ナプキンの瀕死の白鳥



事務所マネジメントの公演がございましたのは小ホールだったのですが、大ホールではチャイコフスキー作曲のオペラ、エフゲニー・オネーギンのリハーサル中。楽屋はどちらも同じフロアに。
楽屋に用があり、エレベーターから降りた瞬間、フロアに満ちる異国の気配。聴こえてまいりますのはロシア語。そして濃厚な香水と汗の匂い。うわ、日本じゃないみたい、と思いつつ、小ホールの楽屋で所用を済ませ、受付に戻りますと、あら?ここでもロシアの香り。どうやら社長でも、他のスタッフでもなく、私が匂っているようです。ロシア人にハグされた覚えもないのですが。くんくんしてみましたところ、両手の指先から香水の匂いが。おそらく、エレベーターか自動販売機のボタンに付いておりましたのでしょう。洗面所へまりまして、よく洗ったのですが強い香水のようでなかなか落ちません。結局、帰宅をし、入浴をいたしますまで、ずっとロシアの香水の香りに包まれた1日でした。普段使っております香水とは別の香りが自分から立ちのぼるというのは落ち着かないもの。
さて、画像は楽屋の食堂のテーブルに置かれておりましたバレリーナ。食堂の紙ナプキンで作られたものなのですがあまりに見事で思わず撮影。おそらく、大ホールの出演者の誰かが作り、捨てるには惜しくて残していったものなのでしょう。私も、食事を終えましてもそのままそっと置いてまいりました。『瀕死の白鳥』、今もテーブルの上で踊っているでしょうか。