吉野織



今日は大切な絵本を数冊資料として持って出ることになり、何に入れていこうかしらとあれこれ思案したのですが、なかなかちょうどよいサイズの袋もなく。
タンスの中を見回し、そうだわ、これに包んでいきましょう、と取り出しましたのが、吉野織、吉野格子の風呂敷。包んでみますとサイズもぴったり。特に数冊の本をまとめて包みますのに、風呂敷というのは融通がきいて宜しゅうございますね。今にも降り出しそうな空模様でもありましたので、これを大きめのビニール袋に入れ、更にエコバッグに入れていくことに。
吉野織。なんでも、名妓と呼ばれた江戸時代の傾城、吉野太夫が内掛けとして使っていたことからその名が付けられた織物とか。この緑の他にも薄茶や紺色など数色買い求めてあるのですが、ちょっと北欧の織物を思わせるようなモダンな色使いで、洋服姿で持ちましても違和感のない織柄で重宝しております。
さて、打ち合わせをいたしましたのは、某大使館。話の流れから、地下倉庫に保管されております、ある絵本作家の原画を見せていただけることに。担当官が鍵を開け、倉庫の中に入りますとそこには、件の絵本の原画の他、たいへん人気のある作家の作品、オブジェなどがそれこそ所狭しと無造作に置かれておりましても、もう気分は財宝の詰まった秘密の洞窟に足を踏み入れたアリババ。うわー、うわー、と興奮してしまいそうになるのを押し殺しての、仕事、となりました。