諸々

オペラシティ



■お泊り子守

先週、娘が大学時代の仲良しグループ十名ほど卒業旅行にまいりました。本当は皆、海外へ行きたかったようなのですが、娘が授乳中でどう頑張っても一泊しか参加できないのに合わせてくれて京都へ。
日中はぐずりもせず上機嫌で遊んでおりましたが、やはり夜はたいへんでした。泣いて泣いてようやく眠り、夜中におながかがすいて目が覚め、母親を探して泣き、ミルクを作っても哺乳瓶を両手で押しやって号泣。一時間半ほどずっと泣く子を抱いてあやし、あまりに泣き続けるので不憫で私も少し涙ぐんでしまい、「そうよね、悲しいわよねえ。生まれて初めてママのいない夜だものね。眠れないわよね、可哀相にね。でもね、ママはどうしてもみんなと旅行に行きたかったの。おばあちゃまもね、ママを旅行に行かせてあげたかったのよ」、と言った瞬間、私の目を見てすっと泣き止んだのが、驚きでした。その後はすっかり落ち着き、作り直してあげた温かなミルクをごくごく飲み熟睡。朝、始発の新幹線で京都から戻った娘の姿を一目見るや、私の目をじっと見て、「おばあちゃま、ママだね。ママ帰ってきたね!」、と満面の笑み。
話してきかせた時に泣き止んだのは、偶然泣き疲れただけだったのかもしれませんが、私には、話と状況を理解したように。赤ちゃんというのは、大人が想像する以上に、色々なことを理解する能力があるのかもしれません。

■最近思うこと

自分に甘く、人にも甘く、生きていきたいと思います。
人を悲しませるようなことでない限り、人間はしたいと思ったことをすればいいのだと思うのです。

■心を揺さぶられる

一昨日、ピアニスト1も参加した公演のゲネプロを聴きにオペラシティへ。『ピアソラの没後15年記念、幻のオラトリオ《若き民衆》日本初演』。ウルグアイ生まれの現代タンゴ最高の詩人、オラシオ・フェレールが「ラプラタ河の地下に洞窟都市があり、その住民はわれわれの過去あるいは未来の姿かもしれない」という着想から、アストル・ピアソラと共に作り上げた大作。日本語字幕付のスペイン語上演。詩と音楽の素晴らしさはもとより、ヴォーカルのカティエ・ビケイラ、小松亮太バンドネオンの哀愁に満ちた歌声、音色。そしてこの日の為に特別に編成されたオーケストラと合唱の熱い演奏。久々に、音楽によって心を強く揺さぶられました。
本番の公演はチケット完売だったとのこと。この日本初演に立ち会った1600名の方々は幸運であった、と思います。《若き民衆》、日本初演をしようと考えた小松亮太さんに、感謝と拍手を。Aさん、お声をかけていただき本当にありがとうございました。