和む



式に先だち、両家の親戚が一室に集まり自己紹介をしてまいります、親族紹介の時間。
やや緊張した雰囲気の中、新郎の両親、兄弟に始まり、新婦側の親族の紹介をしておりました時のこと。「新婦の伯父の○○○○です、宜しくお願いいたします」、「新婦の従姉にあたります○○○○と申します。宜しくお願い申し上げます」、とご挨拶が続き、昔から陽気でチャーミングな叔母の番に。すっと立ち上がったかと思うと、「新婦の、○○K子でございます」、とすまし顔で深々と頭を下げるではありませんか。室内一瞬静まり返ったのち、新郎新婦を含め、一同大爆笑。「k子さん、叔母、が抜けているわよ」、「わはは、今日の新婦はK子叔母さんだったんだ」。と、一気に場が和んだのでした。お茶目な叔母なものですから、もしやウケを狙ったのかしらと見ると頬を紅色に染め、「緊張いたしまして、失礼いたしました。新婦の…叔母…の○○K子でございます」、と可愛らしいこと。
もう60を過ぎておりますのに、愛らしい雰囲気を漂わせておりまして、私もそのように年を重ねていきたいものだわと。