悪徳商法



お酒が飲めなくなりましてから、飲み会に誘われる機会もすっかり減ったのですが、先日、どうしてもとのことである宴会に参加してまいりました。
お役人やら、芸能人やら、手を繋いだ男性カップルやら、普段接する機会のまずないような方々と話をいたしまして、まあ楽しいひと時を。帰り際に、ずっと隣席でした男性から名刺をいただき、翌日「どのような会社なのかしら」とインターネットで検索をしてみましたところびっくり。
悪徳商法掲示板のようなところに繰り返し名前が出てくるような、マルチ紛い商法の大元締めだったのです。本人も、「私は遊び人です。少し悪いことをしてお金儲けをしています」、とはおっしゃっていたのですが、まさか本当に悪いことをしていたとは。お話は上手。なかなか顔立ちも恰幅も人当たりもよい人でしたので、娘に、「ぜんぜんそんな悪そうな人には見えなかったのよ」、とこの話をいたしましたところ、「それはそうでしょう。いかにも悪そうだったら誰も信じないじゃない。みんなが信じちゃうような人だからこそ、騙せるんでしょ」、と。
なるほど。どうやら会社名、団体名を次々に変えながら、ずーっと繰り返し同じような悪徳商法を続けている人のよう。これまで、人間、長く悪いことを続けていると絶対に人相に出る、と信じておりましたが、そうとも限らないようです。しかも、息子さんと一緒に来ていたのですが、その彼も交えての会話の中で『金の卵とがちょう』の話がイソップだけではなく、世界中に伝承として残っているという話を持ち出し、「人間、強欲過ぎてはいけないということですよね」、とまで語っておりましたのに。うぅん。息子には同じ道は歩まないでほしい、と考えてのことなのでしょうか。