ホールでピヨピヨ



昨年、ミラノでたいへんお世話になりましたピアニスト1のご主人S氏は作曲家であり指揮者。今日はS氏のピアノ作品の日本初演が行われるということでオペラシティへ。タイトルに、孫の名前の一字が使われているということもあり、娘もご招待をしていただき、2人で聴かせていただいてまいりました。透明感のある、とても高い所から、そう天から音が降り注いでくるように感じられるとても素敵な曲。
S氏の作品の他にも4人の作曲家による、初演、もしくは日本初演の曲により組まれたプログラム。張り詰めた雰囲気の中でコンサートは進んでいったのですが、どうにも気になって仕方ないことが。微かにではありますが、どこからか、ピヨピヨピヨ…とヒヨコが鳴くような声がするのです。最初、私?もしや、自分のお腹がきゅるきゅるではなく、ピヨピヨいっているのかと出来る限り俯いてお腹に耳を近づけてみましたが、違うようです。抱えておりまししたバッグの中にもヒヨコは入れておりませんし。空耳?いえ、間違いなく、ピヨ、ピヨピヨ、とヒヨコの声がいたします。隣席の娘も気付いたようで、目が合うと、笑っておりましたので、小声で「ピヨピヨいってるわよね?ヒヨコ?」と囁くと、頷きながら肩を震わせております。
耳を澄ましますと、どうやら一列前の席の辺りから聞こえてきているよう。本物のひよこなのか、電子音なのか判りませんが、ピアノの音が小さな時にはあまり鳴かず、曲が盛り上がると、一緒に盛り上がり「ピヨピヨ」と声が大きくなるのです。気になるったらなかったのですが、結局最後まで音の出所は判らずじまい。さて、あの鳴き声は、いったいなんだったのでしょうか。