黒豆



H先生の黒豆のレシピ。2002年12月に、教室でこのレシピを教えていただいてから、ずっとこの煮方でお正月の黒豆を用意しております。美味しいと好評ですので、こちらのレシピも是非ご紹介を。

材料
A 水 カップ3
イ:砂糖 150g 
  醤油 大さじ1
  重曹 小さじ1/2
  錆び釘 7〜8本
B 黒豆(干) カップ1
C 差し水 2回
  (1回に付き、カップ1/3を)
  パラフィン
 (落しぶたの為に)

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1.豆を煮る鍋にAの水を沸かす。
2.沸いたらイを加え、そこにさっと洗った黒豆を加えてふたをし、そのまま5〜6時間置いておく(この間に、余熱で黒豆がほとびる。)
3.5〜6時間後、煮る作業にかかる〜
  まず2を、ふたをしたまま中火にかけて沸かし(ふきこぼれぬように注意)、差し水を2回する。その後水面にパラフィン紙をかぶせて(中心には空気穴を開けて)、その上にぴっちりと“共ふた”もし、ごくごく弱火で10〜15時間煮る。*1
4.充分に時間がたって、豆も柔らかくなり煮汁の煮詰まり加減も程良くなったら出来上がり。*2
5.豆が煮汁から頭を出さぬように保存し、いつも食べる直前に豆を汁から引き上げて盛り付けるようにする。*3

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*1煮てゆく間、火加減を気にするよりも「ふたを取ると湯気がポーッと上がる位で水面は静か」な状態に鍋の中がなっているかを気にする事の方が大切。そういう状態に保つ為にはごくごく弱火でなくてはならず、工夫がいる。普通はガスの火をどんなに細くしても、“強すぎる”事が多いので魚焼網などワンクッション置いて、その上に鍋をかけ、火から遠ざけること、“ごく弱火”の状態が作り出せる(自分で工夫する事)。10〜15時間ぶっ通しで煮なくとも、自分の家事の都合により、例えば5時間煮て休み、又時間が出来たらその続きを煮る、という風にして2日くらいかかっても構わない(しかし一度たりともぐらぐら煮立てぬように注意すること)。
*2最終的な煮詰まり加減は「ひたひたの二歩手前」にする。それより水分が多いと甘味が薄すぎ、煮詰まりすぎると煮汁の糖度が上がりすぎて冷めてゆく間に豆にしわがよって来る。煮汁から豆が顔を出しているなどもってのほか(しわがよってしまう)。煮ている間に煮汁が煮詰まり過ぎる様なら水を差してよい。逆に豆はすっかり煮上がっているのに、煮つまり具合は「5歩手前」などという時は、最後に共ぶたも紙ぶたも取って、お風呂の湯気がポーッと上がるような状態にし「2歩手前」まで水分を蒸発させてゆく。
*3煮汁から長く出していると、やはり豆にしわがよって来る。煮上げたものは密閉容器に入れて冷蔵保存、煮汁が冷めるとほのかなとろみがつく。冷凍保存(煮汁ごと)も可能、舌触りが、ほんの少し変わるが、充分に美味しい。

例年この基本レシピの三倍、砂糖のみ少し控えて豆3カップ分を煮ています。特に煮始め、あく取りは丁寧に。シャトルシェフを使うと簡単に上手に煮ることができますが、火加減を気にしつつ普通の鍋で煮るのも、暮れの慌しさの中、台所から一日中甘い黒豆を煮る香が漂い、幸せなもの。