フェルメール・ブルー



manpukuyaさんの日記を拝見し、おお、そうだわ終わってしまう、と今日は仕事を終えましてから、国立新美術館へ。「アムステルダム国立美術館所蔵 フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」を見てまいりました。
オランダ風俗画。街や農村における、人々のごく普通の日常生活を描いた絵。絵の解説に多く使われておりました言葉が、“陰影”、“静謐”、そして“暗示”。オランダ風俗画の面白いところは、絵の中に様々な暗示が隠されていること。例えば、女性を見上げる猫は人間の欲情を。穴の空いた樽は、中身の無い人間であることを、表しているとのこと。画家達の素晴らしい技術を見るだけではなく、描かれたモチーフがそれぞれ象徴している意味や内容を謎解きする楽しさもあるのです。
さて、フェルメールの《牛乳を注ぐ女》。よろしゅうございました。想像しておりましたよりも、力強い絵。フェルメールの青、当時金と同じ価値があったというラピスラズリ亜麻仁油を溶いて作ったというウルトラマリンブルー。角度によりましては絵が光ってしまって見えにくいほどしっかりと照明は当たっていたのですが、目にいたしました青はテレビや画像で見るよりも深く落ち着いた色合い。《牛乳を注ぐ女》だけは、かぶり付き見ることができますが立ち止まってはいけないコースと、ちょっと遠くからじっくり見ることができるコースがあるのですが、立ち止まってはいけないコースも流れはたいへん緩やかですのでじっくりと見ることができます。まず立ち止まらないコースで見たあと、じっくりコースで見、再び列に並んで立ち止まらないコース、と《牛乳を注ぐ女》満喫、大満足。日本に居ながらにして数少ないフェルメールの作品を見ることができるとは、ありがたやありがたや。