そば屋 赤坂 ながら



ミラノでピアニスト1のご主人に、「日本に帰ったらこれが食べたい!というものはありますか?」、と訊かれたのですが、特に思い浮かびませんで。海外旅行をいたしますと、「うぅ…日本食が食べたい」、と思うものですが、今回はこんなに長期だったにもかかわらず、まったくイタリア料理に飽きるということがございませんで。おそらくこれは、外食が少なく、お庭で採れたての野菜を使った、手作り料理をいただくことができたのが、大きな理由であろうと思います。あ、おそうめんや餃子も作っていただきましたしね。
帰国いたしましてすぐの先週末。それでも、「今日はどうしても日本蕎麦が食べたいわ」、と。以前、知人が見つけてご一緒する約束をしながら、未だ叶わずにおりましたお蕎麦屋さん、NAGARA。下見を兼ねて、一人で食べに行ってみることに。赤坂の、注意をしていないと通り過ぎてしまうような裏路地にある一軒家を改装した、こぢんまりとしたお店。カウンターとテーブルが数席。土曜日のお昼でありながら、ほぼ満席でしたが、静かで落ち着いた雰囲気。
ざる蕎麦と小鉢のセットを注文。まず、お盆に並べられた小鉢が。厚焼き卵。大根といんげん豆の煮物。大豆の味わいたっぷりで柔らかな口あたりのお豆腐、これにはポン酢を。雑穀ご飯には塩と白胡麻を振って。お漬物は沢庵と野沢菜漬け。お酒が飲めれば、ここで1杯いただきたいところ。実際、カウンター席で、一人濁り酒を味わっている女性も。日本酒、焼酎の品揃えも志が高く、そして豊富。ちょうどよい頃合いを見計らい、つやつやのお蕎麦。美味しいです。甘味は白玉ぜんざい、そして日本茶。これで1200円はとってもお値打ち、大満足。はるそば、なつそば、あきそば、など、興味をそそるメニューも。また是非訪れることにいたしましょう。
画像は、ながらで買い求めてまいりました、コンペイトウ。京都、洛北、花世屋謹製の、にっきこんぺい。金平糖。噛むとちょっと背中がぞくぞくしてしまって、さほど好きなお菓子ではなかったのですが、これはたいへん気に入りました。舌の上で転がし、暫しにっきの香りを楽しみ、徐に噛みますと芯には香ばしいそばの実が。今回はもう、にっきが一袋しか残っておりませんでしたが、他にも種類があるよう。こちらの金平糖も、次回もぜひ買い求めたいと。
帰りに、サントリー美術館で開催中の、『BIONBO/屏風 日本の美』を観賞して、帰宅。日本に帰ってきたことを実感した一日。