Barで朝食



私達は、孫のペースに合わせ起きるのが遅かったので、外に出ずに済ませてしまうことが多かったのですが、ピアニスト1は普段はバールで朝食をとることがほとんどとのこと。バールでの朝食はだいたい、画像のような甘いパンを1つと、1杯のカフェ。このパン、見た目はクロワッサンのようですが、バターを使っていないのでさっぱり軽め。ラッテ・マキアートによく合うのです。
ミラノで何が羨ましいといって、バールの存在が一番羨ましかったです。朝はまずバールへ。仕事の前に軽くバール。小腹がすいたらバール。仕事に疲れたらバール。仕事が終わったらバール。買い物に出る前にバール。買い物に疲れたらバール。食事の前にバール、後にもバール。お酒を飲むのもバール。仕事をしていないお年よりは、いつでもバール。
一日中賑わっているバールも多く、のんびり寛いだり、楽しく会話をしたり、ゲームをしたりする人たちを見て、いったいこの人達はいつ働いているのだろう、と思ってしまうことも。日本の喫茶店と違うように感じましたのは、お店とお客の関係が濃密であること。常連さんも多く、地域密着型。バールが何軒かまとまっているところなどでは、(それほど街中にバールが多いのです)、今朝はバールAに行った。出てくるところを、同じ並びのバールBの主人に見られてしまったから、午後はバールBに行くことにしよう。暫くバールCにも行っていないから、そろそろ顔を出しておかなくては、などと、お客としても気をつかうのだそうです。
日本に帰り、いつも実家でごろごろテレビばかり見ている父の姿を見ると、バールで友人達と楽しげに語り合ったり、新聞を読んだりしているお年寄り達の姿が思い出されて。日本にもバールがあったら、父の毎日ももっと輝いたものになるのではないかしら、と。