一人でお買い物



ピアニスト1が風邪でダウン。ひどい咳と倦怠感で一昨日から寝込んでしまいました。たくさんのお気遣いや、あちこちの案内、手配できっと疲れが出てしまったのでしょう。申し訳ないことです。
ということもあり、今日は一人でちょっと離れた大きなスーパーへ買出しに。トラムに乗って三駅のところにあるのですが、色々なお店を眺めるのも楽しいので歩いて向かうことに。まず、R君に食事用のゴムマットとエプロンをプレゼントしようと、通り道にあるベビー用品屋さんへ。今使っているのと同じタイプがいいので、現物を持ち、ピアニスト1のご主人に、「これと同じタイプのものはありますか?」とイタリア語で記していただいたメモを握り締め、意を決して店内に入り、“Buongiorno!”と挨拶をし、メモを読みながら品物を見せたのですが、答えはあっさり、“Non.”。残念。
さらに歩いてスーパーに到着。食べてみたい珍しい野菜やチーズなどを籠に入れつつ、ゆっくりと店内を回っておりますと、パスタ売り場で上品なお婆さまに声をかけられました。はっきりとはわからないのですが、どうやら「申し訳ないけど、この一番上の棚にあるパスタを取ってもらえないかしら。手が届かなくて」、とおっしゃっているよう。“si si!” と背伸びをしてパスタの袋を取って差し上げるとにっこりと、“Grazie.”“Prego.”。おお、ミラノでお年寄りのお役にたてるとは。
さて、このスーパーもそうなのですが、ミラノは中心部を外れると意外にカードが使えないことが多いのです。カードが使えないというか、認証されないことが多い。ということで予想外に現金が必要となり、日本で両替してきたユーロが不足。手数料を払って両替するよりも、カードでキャッシングをしてしまっても同じ、とのアドバイスもあり、帰りに銀行のATMでキャッシングをしてみることに。ピアニスト1のご主人に操作方法を教えていただき、なんとかなるであろうと思っていたのですが、まずATMコーナーの入り口がロックされていて入ることができないのです。カードを入れて認証を受けるようなので、クレジットカードを挿入して、適当にあちこちピコピコ押してみたのですがだめ。銀行はたくさんございますので、あちらの銀行はどうかしら、やはりだめ。こちらは?だめだわ、と彷徨っているうちに、ふと見回すと知らない建物ばかり。なんと迷子に。あらあら。
さほど方向音痴ではございませんので、来た道を戻ることに。同じような石造りの建物が並び、見慣れぬお店が多いので交差点に立つたびに確認。3つめぐらいの交差点でうーんどちらから来たのだったかしら、とちょっと不安になったところで響きましたのが教会の鐘の音。スーパーの交差点には教会があったはず、と鐘の音に向かって歩きますと、ちょうど陰になって見えなかったのですが、すぐにございました、見慣れた教会と交差点が。教会の前を通りますと、ちょうどミサ中。静かに中に入り、鐘の音に救われましたことを感謝、そして静かに退出。
どうやら、もうスーパーを出てすぐに、銀行に気をとられ間違った方向に歩いてしまっていたよう。正しい道を歩き始め、道沿いにある銀行のATMを恨めしそうに横目で見ながら通り過ぎた時、あ、中に家族連れが入っているのを発見。もしかしたら、この人たちが出る時になら入ることができるかも、と入り口外で待つことに。待つこと一分ほど。大成功。無事にキャッシングを済ませまして帰宅。色々と盛りだくさんでなかなか楽しい、一人の買い物、でした。