『最後の晩餐』



サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(Chiesa di Santa Maria delle Grazie)で、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』を見学。見学には予約が必須。ピアニスト1が電話で予約を入れてくれまして、送迎とチケット購入、イヤホンガイドの申し込みなどの手続きはピアニスト1のご主人、と至れり尽くせり。長くお邪魔させていただいているだけでも有難いのに、何かとお手数をおかけして申し訳ないようです。
さて、こちらの教会は物々しいほどの管理体制。まず、鍵のかけられた鉄格子の前に、見学時間の15分前に集合。時間になりますとチケットのバーコードを読み取られて建物内へ。その後も、『最後の晩餐』が飾られております、修道院の元食堂に辿りつくまでに、二ヶ所、ロックされたゲートを通らなくてはなりません。
ようやく薄暗い食堂に足を踏み入れますと、がらんとした空間の一面に、『最後の晩餐』の大きな壁画が。一回の見学者は20名、見学時間は15分間。なんとお恥ずかしいことに、『最後の晩餐』が持ち運びのできない壁画だということをこれまで知らずにおりました。何でも呼び寄せてしまう日本に来ないわ、とは思っておりましたのですが。
画像などで見るよりも、色合いは淡く、ふわっとぼんやりとした描かれ方。ガイドによりますと、フレスコ画テンペラ画の技法の違いからもきているそうで、元から剥離しやすい技法で書かれた上に、後にこの食堂は爆撃を受け、屋根と壁の大半が崩れ落ち、そのまま長く野ざらしの状態に置かれていたこともあり、修復を繰り返しながらようやく今日の姿があるとのこと。キリストの足の部分は、絵の下にある扉を大きくする改装工事をした時に消してしまったのだそうで残っていないのですが、ガイドは「イエスが手を広げているのは、十字架にかけられることを暗示しているかのよう。おそらく足の部分は、十字架にかけられた時のように、重ね合わせられているのではないでしょうか…」、との説を。15分経過いたしますと、「はい、終了ですよー、出てください」、と皆で出口へぞろぞろ。美しい中庭、礼拝堂を見学後、再びタクシーでピアニスト1宅へ。
※画像は、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の礼拝堂