命長ければ恥多し



六本木の路上でスカートを脱ぐことになろうとは。酔った勢いで、ではございません。
仕事を終え、お天気もよいので自転車で病院へ。孫をなでなでし、上機嫌で帰途に。六本木通りから、裏路地にさーっと走り込んだところで突然自転車にブレーキがかかり動けなく。どうやらスカートの裾を後輪に巻き込んでしまったよう。人通りは少ないものの、後ろからはタクシーが。横に避けようにも、自転車を動かすとスカートが更に巻き込まれてしまうのです。ほとんど半分脱げた状態で、自転車を引きずるようにして道路わきへ。見ると何重にも巻き込まれてしまっています。フランス製の白くてちょっと妖精のようなふわふわロングスカート。今日初めてはきましたのに何ということでしょう。
しっかりと巻き込まれてしまっているので、後輪方向にひっぱられて立っていることすらできません。そのままの状態では自転車のスタンドを立てることもできないのです。考えることしばし。背に腹は変えられぬ、仕方あるまい。人通りの少ない薄暗い道でしたし、幸い白いペチコートをしておりましたので、意を決してスカートを脱いでしまうことに。ようやくスタンドを立て、後輪を逆回転させて少しずつスカートをほどいていきます。5回転ほどさせたところでようやく外れ、急いでスカートを身につけ、再び走り出します。ああ、大変でした。
ショックで少しふらふらしながら走り続け、ミッドタウン横の坂を下り始めた途端、またぐぐっとスカートが引っ張られ、同じ状態に。今度は、人通りの多い場所ですし、横にずらっと10台ほどの黒塗りのハイヤーが止まっておりまして、流石にここでスカートを脱ぐわけにはまいりません。二度めとあって、落ち着いて後輪を持ち上げながら歩道へ避難。左手で自転車の後ろの部分を持ち上げ、右手で車輪を回転させ、今度は3回転ほどで外すことに成功。もうあとはスカートをがばっと持ち上げながら走って帰ってまいりました。もうへとへと。
買ったばかりのスカートは縫い目は解けるは、生地は裂けるは、でぼろっぼろになってしまいショック。娘も、「そのスカート、いいじゃない」、と褒めてくれておりましたのに。でもまあ、転倒したり、車に轢かれたりしなくてよかったです。ロングスカートで自転車は危険。