誕生



その後、「じゃあ、何かあったらすぐに連絡してね」、と娘夫婦と別れ、帰宅して就寝。携帯のメール着信音で目が覚め、時計を見ますと朝の5時。もしや、と急いで読みますと、「ついに陣痛の間隔が狭まり入院です」、と娘からのメール。わあ、いよいよです。病院は、付き添いの一人以外は、午後1時以降にならないと病院内に入ることもできないとのことですので、「1時に行くから。頑張ってね」、とメールをして再びベッドへ戻ったものの、なかなか眠れるものではありません。母から朝一番で、「その後どう?」、と電話がかかってきたり、少し眠っておこうと努力をしているうちに、9時半過ぎに婿から、「今、生まれました」とメール。続いて、「仕事に行くので、代わりに付き添ってもらえますか」、と電話。慌てて起きて、ご飯を食べて、病院へ。
6月3日午前9時33分、体重3336グラム。元気な男の子が生まれました。母子共にまったく問題なし。意外と大きく育って出てまいりました。予定日を過ぎても6日間お腹の中にいたせいか、お猿さんのようでもなく、もうすでにしっかりとした赤ちゃんです。数時間前にこの世に出てきたばかりですのに、一人前にあくびやくしゃみをする小さな小さな孫の手に触れながら思いましたのは、どんなに美しい芸術品を創るよりも、どんなに素晴らしい仕事や研究の成果をあげるよりも、人ができることの中で、命を生み出す以上に凄いことはないであろう、ということ。健康にすくすくと育ちますように。