驚きの商品 その2 ㈱S 『Grand Pianist』



松屋銀座エスカレータ脇に展示されておりました商品、『グランドピアニスト』
アクリルケースの中に飾られておりましたのは、精巧に作られました、小さなグランドピアノ。グランドピアノ型のオルゴールかと思いましたが、どうやらそうではないよう。時間がなく、係員もおりませんでしたので、置かれておりましたパンフレットを一部手に、帰宅。
「テーマは 観て、触れる音楽(オト) ”LIVE or TOUCH”」とのこと。『観て』。確かに、小さく、美しい、グランドピアノ。『触れる』、ということは、あのミニピアノは実際に演奏することができるのでしょうか。続いて『4mm』という文字が目に。鍵盤一つの幅が、なんと4mmとのこと。4mm幅の鍵盤では、指の細い女性が『猫ふんじゃった』を弾くのすら難しゅうございましょう。いったいどのように?、と商品名で検索をし、サイトを見ましてまたびっくり。
デジタルピアノと同様の方式を採用し、88の鍵盤はきちんと音を奏でるよう。ですが、『〜MOVIE〜』を見まして、………。聞こえてまいりましたリストのラ・カンパネラは強弱も揺れもない電子ピアノの音色。採用されたのはこのような音源なのですか。せめて、才能ある若手のピアニストの演奏を元に音源を作る、ということはできませんでしたのでしょうか。続いて、『触れる』。嗚呼。それをセッションと呼びますか。これを演奏と…。
総合楽曲演出プロデュースはヴァイオリンのH氏とのこと。プロデューサーとして、どのような形で、どこまで係わられたのかは存じ上げませんが、購入者の層として、いったいどのような人たちを対象とお考えだったのでしょう。ピアニスト1の友人でもございますし、このような言い方をいたしますと大変失礼になるかとは思いますが、私は、この『グランドピアニスト』が置かれたバーカウンターで、飾りとしてならまだしも、無味乾燥な音源を聴きながらお酒をいただきたいとは、思いません。
せめて、ヴァイオリニストではなく、ピアニストがプロデュースをいたしましたら、もう少し違った形の商品になったのではないかしら、とも。
今日はなんですか、文句言い婆さんの日、ですわね。