驚きの商品 その1 『C社ラック&チェアR オートスウィング』



ベビー用品店の店頭に、「一番人気!」として展示されているのを目にした瞬間、くらくらっと眩暈がした商品。ベビー用の、簡易ベッドにも椅子にもなるというもので、その機能自体は便利でいいと思います。が、こちらのタイプには驚きの、簡易ベッドの状態でそっと押すと、電動で15分間スウィングする(寝かされた赤ちゃんにとっては、上下に揺れる)、という機能が付いてのです。実際に揺れている状態で展示されていたのですが、揺れ方が意外に早く、激しく、もう見ているだけで酔ってしまいそう。
「赤ちゃんを快適な眠りに誘います。」とのうたい文句でしたが、もしや実は気持ちが悪くなって眠ってしまっているのでは。この商品を買い求めるお母様方は、このラックの動きを見て、もしも自分がこのように15分間も上下に揺さぶられたら…とは考えないのでしょうか。よしんばその揺れが、研究された、赤ちゃんを眠りに誘う揺れなのだといたしましても、母親の腕に抱かれ、優しく揺られて眠りにつくのと、規則正しい揺れを刻む器械の中で眠りにつくのとでは、母にとっても子にとっても、心に感じるものが違いますでしょう。ぐずって泣いていた子供が、抱いていた腕の中でふっと眠りについて重く感じられる、あの安らぎを、喜びを、器械に与えてしまうなんてなんて、なんともったいない。
【ヒーリングサウンド】として、「スウィングに合わせて、心地よい名曲が7曲次々に奏でられます。大きな古時計モーツァルトの子守唄、ブラームスの子守唄、シューベルトの子守唄、ゆりかごの歌、星の世界、アヴェマリア。」とも。音色は確認しておりませんが、毎日うぃんうぃんと揺られながら、やはり「安らかな眠りを誘う」という【ヒーリングサウンド】を延々聞かせられる。もしも次に人間に生まれ変わりましたら、このラックにだけは寝かされたくない、強くそう思うのです。揺りかごを揺らすのは、どんなに慌しくとも、せめて足で、と母にお願いしたいです。