蕨餅



わらびもち。原料となる、蕨粉は、本当にあの山菜のワラビから作られているのだそうですね。知りませんでした。ワラビの根(地下茎)をとり、ほぐし、そのでんぷんだけを晒して乾燥させたものとのこと。手間がかかる上に少量しかとれないため、本物のわらび粉、国産の本蕨粉というのは、目玉が飛び出るほど高価なのだそうです。廉価な蕨餅に使われておりますのは、サツマイモ澱粉やタピオカ澱粉、葛粉などをたっぷり加えたもので、出来上がりは透明もしくは白っぽいのですが、本蕨粉で作った蕨餅は、黒っぽく色づいているとのこと。
和菓子の材料の中でも最も高価なものの一つだという蕨粉。美味しい蕨餅を作るためには、ちょっとしたこつがあるそうです。まず、そのまま作り始めるのではなく、水にさらし、沈殿させて灰汁抜きをする。そして、ただ水で練るのではなく、水出しした昆布だしで練りあげると、風味のよい蕨餅ができるのだそうです。この、晒す、昆布だしを使う、は美味しい葛餅を作るのにも応用できるとか。奈良で買い求めてまいりました、本葛粉がございますので、ぜひ一度試してみることにいたしましょう。
京料理屋さんの板前さんに教えていただいた、蕨餅のお話。