絶飲食3日めと回復の証し



食べられないことが更に辛く。テレビは頻繁に食べ物が映るので、見ることができず。うつらうつらすると食べ物の夢ばかり見るのです。目を閉じると思い浮かぶのは、色とりどりのケーキが並ぶショウウインドウや、お料理がずらり並ぶバイキングの光景。食べ物について書かれた文章を読むのすら非常に不快。トイレの帰りなどにちょうど食事が運ばれてまいりまして、ワゴンに並ぶ病院食を思わず足を止めて恨めしそうに見つめてしまう。いいないいな。羨ましい。悲しい。切ない。例の膵炎の男性も、「ここを出たら!大トロ、鮑、伊勢海老、食べまくりますよ!」などと叫んでおります。言っても詮無いことを、と口もとを綻ばせつつも、同じ状況に耐えている人が近くにいることがとても心強く。
さてこの日の夜9時を過ぎたあたりから、突然、噂の尿がざあざあが開始。いやあ、びっくりしました。尿の話などいたしまして申し訳ないのですが、もう出るわ出るわ。朝までほとんど眠らずに、例のややこしい手順を踏んでのトイレ、戻って横たわる。またトイレ、横たわる、またトイレ。なんとこの後、24時間で5リットルを超える尿が排出。なんでも、体内にしみ出てしまっていた水分が、炎症が治まったことにより、一気に血管に戻り、尿として排出されるのだとか。まさにざあざあ。5リットルもの量を出すのは一仕事。忙しくてゆっくり眠るどころではないのですが、これが「回復の大きなめやすとなります」、と聞いておりましたので嬉々として、いつでもどこでも一緒の点滴台をがらがらと連れてトイレへ。
翌日、3月24日の夜までにはうその様に浮腫みも取れ、体がすっかり軽く。