OPAL R-Ⅲ



これがなくなってしまったら途方にくれるであろうものの一つ、三香堂の『美容原液オパール』。母も長く愛用しておりますこの化粧水。初めて試しに使ってみましたのは確か大学生の頃だったでしょうか。最初は刺激が強く感じる、との話でしたので、お風呂上りに、オパールを含ませたコットンで頬を恐る恐るふき取ってみましたところ、コットンに汚れと思しきものがしっかりと付いておりまして。
今でこそ、お肌の角質を除去する化粧水はたくさんございますが、その当時はまだ、「角質」などという言葉さえ耳にする機会のなかった時代。洗顔直後なのにこんなにお顔って汚れているの?とたいそう驚いたものでした。あれから数十年。母も使い続けておりますし、私はもちろん、娘も今では愛用者。他に使用する化粧品はそれぞれ皆違うのですが、基礎化粧水だけは母娘三代が同じものを。
サイトで三香堂の歴史を読んでみましたところ、創業者である佐々木梅治さんが、家族や従業員たちの皮膚疾患の治療のために完成させた黄金色の特殊液「奇妙水」を販売するにあたり、「美容原液オパール」と名づけたのが大正15年のことだとか。75年も前に開発された化粧品が未だに愛用され続けている、というのはこれもまた、驚くべきことです。