CHANELらしさ



昨日は、銀座シャネルのネクサス・ホールでマチネのコンサートを。Pygmalion Daysという、若手演奏家を支援するプログラムのコンサートで、奏者はチェロの向井航さん。大柄、長髪。厳ついと申し上げてもよろしいような風貌は、チェリストというよりも金管楽器奏者のよう。音色は反してとても柔らか。前半はチャイコフスキー、ヴィヴァルディ、と正統派のクラシック。トークもお上手で、会場は寛いだ雰囲気に。後半は一気に砕けたプログラムで、ヴァイオリン、パーカッションをゲストに、今年リリースしたというCDから3曲。これがなかなか面白いのです。クラシックの枠に収まりきらずに、色々な音楽に挑戦する、という姿勢が、担当ピアニストの若い頃の姿と重なります。次に何に興味が向かうのかわからない、読めない、というのもなんとなく似ております。これからの彼らの活動がとても楽しみ。
それでも、終演後ちらっと耳にいたしましたのが、「彼はシャネルの雰囲気にはそぐわないのでは…」、という意見が出ているというお話。正統派ではないから?型破り過ぎるから?Pygmalion Daysのパンフレットに紹介されております、マドモアゼル・シャネルが無名時代を支えた人物の名前、ピカソストラヴィンスキーヴィスコンティ、ラディゲ、コクトー…を見ても、彼女はまさにコンサバティブの対極に位置した人だった、のでは。