草津の旅館あれこれ



昨年のGWは、「草津館」に三泊したのですが、今回は違う旅館三軒をそれぞれ一泊ずつ押さえてみました。今後草津に行かれる方の参考になればと、ざっと感想を。

草津ホテル」

建物、お部屋の雰囲気、サービスともに申し分なし。すっかり足腰の弱ってしまった父は、杖をついての旅行だったのですが、チェックインしてすぐに、回転式の特別な椅子が父のために部屋に運ばれてまいりまして、その心遣いがとても嬉しかったです。
美味しい珈琲がいつでも自由にいただけるのも嬉しいサービス。お部屋は新館だったのですが、旧館よりも広々としていて内装も趣味よくお薦めです。お食事も、山菜、馬、雉、など珍しいものもいただけてなかなかでした。

草津館」

建物がやや古く不安定なのか時折揺れて、地震でもきたらパタッと倒れてしまうのではないかしら、と心配になるのが唯一の問題点。湯畑に面したお部屋は、行きかう人を見ているだけでも飽きませんし、何と申しましても、白旗の湯、若乃湯、二種類の温泉が素晴らしいです。同じ源泉でも他の旅館とは濃さが違います。お食事も心のこもった手作りで美味。ご主人も女将もとてもよい方々。良心、が感じられる旅館です。

まほろばの湯 遠州屋」

さてさて。なるべく名指しで非難することはしないようにしているのですが、この宿はちょっと。場所は湯畑に面しておりましてとても便利。館内にはエレベーターがあり、足の不自由な父にはその点はとてもよかったのですが、何と申しましても食事がひどいです。中身が何なのか判らないぐらい厚い衣の天ぷら、水っぽいお刺身、煮物の筍を箸で持ち上げると、その下に敷かれたどぎつい色の寒天寄せに染まって真緑に…。全てがだめだめ。食いしん坊の私にはとても耐えられるものではございませんで、旅館には失礼かとも思ったのですが、夕食後、湯畑にございます「静」で焼き鳥を買って帰り、部屋で冷酒と共に食べて空腹を満たしました。「遠州屋」、お薦めできません。

草津温泉の賑わいは驚くほど。それは誰に訊いても泉質の良さに惹かれてのこと。確かに温泉の質は今まで訪れたどの温泉地よりもよいように思います。熱くて強いお湯ですが、殺菌力が強く、ピーリング効果もあり、本当に肌は人肌剥けたようにすべすべに。ただ、その集客力に甘えてしまっている旅館も多いような。私の場合、子供の頃は別として、草津で最初に宿泊いたしましたのが「山本館」というとても素敵な旅館でしたので草津が大好きになりましたが、これが「遠州屋」でしたら印象はまったく違ったものになったかと。地域としての損失にも繋がり、もったいないと思うのです。志の低いお宿には、なんとかもう一歩、頑張っていただきたいです。