ヴェルクマイスター再び



ベーゼンドルファーをヴェルクマイスターに調律しての試弾、第二弾。本日はホールを借り、コンサート本番の調律をお願いする調律師さんを大阪からお招きして、という贅沢な試み。新聞社や音楽協会の方も取材、見学に来てくださり、耳の肥えた方々ばかりですので、「いやあ、違うものですね…」と皆さんぎっくり、いえ、打ち間違えました、びっくり。
平均律というのは全てが少しずつ汚い響きなのです」という、調律師さんの言葉が印象的。そう、ある部分の響きを大きく犠牲にしてでも、完全に美しい響きを作るという調律ですので、綺麗に響く時と、ぺったり響く時と、濁る時とがはっきりしておりまして、やはり、なんとも弾いて心地よく、聴いて心地よく。
昔は、ピアニストも調律師も自分好みの音律というのを、公言はせずともさりげなくあれこれ取り入れていたのではないか。不思議な響きのするCDというのも、実は平均律ではなく調律して録音したものなのではないか。ヨーロッパでは未だに調律師が好き勝手なことをしてみているのではないか。オーケストラは曲ごとに自然に耳で音律を変えている。本当はピアノも曲ごとに、一番美しく響く調律にするのが理想的なのでは、などなどお話は広がること。興味を持った音楽協会の方からは、「サイトにぜひ特集ページを作りましょう」、というお話も。有意義なひと時。お蔭様で、とてもお勉強になりました。