草葉の陰



会社のビルの管理組合事務室に草場さんという男性がおりまして、床に映るその影を見る度に心の中で(ほほほ、まさにこれが“くさばのかげ”だわ)、と一人にんまりしていたのですが、驚いたことに今日、その方が草場さんではないことが判明。
どういうことかと申しますと、以前「草場さんはいらっしゃいますか?」と事務室に提出書類を持って行った時に「はい、私が、お預かりします」とおっしゃったので、その方が草場さんなのだと思い込んでしまったのです。「はい、私が(代わりに)お預かりします」だったのですね。それ以来、何回も「草場さん、草場さん」と声をかけておりましたのに。「はい、なんでしょう?」だなどと…人が悪いわぁ。喜んで見つめていた影は“草葉の陰”ではなかったわけですし。