魂消る



平成17年度文化庁舞台芸術国際フェスティバル
アジアのスーパー・ガラ・コンサート2005
〜ブラピ!ピアノとブラスの華麗なる祭典〜

ご招待状をいただき、ちょうど予定もございませんでしたのでオペラシティへ。オープニング、華やかに花々で飾られた舞台上には4台のグランドピアノが並び、ピアニストが一人ずつ登場してはショパンの練習曲を演奏。パイプオルガンもカラフルにライティングされ、少々普通のコンサートとは様子が違うよう。4曲目の「革命」を、シュー・ツォン、田部京子、ハエ=スン・パイク、横山幸雄の4人が、微妙にずれながらも一緒に演奏をした時には、(それが、パートを分担、などではなく、アレンジもなくそのままを全員でばりばりと弾いてしまうのです)文化庁も思いきったことをするものだわ、と驚いたのですがこれはほんの序の口。2台ピアノと合唱によるベートーヴェン「第九」、ピアニスト同士が突き飛ばしあったりする川島素晴編曲作品、サクソフォン・クヮルテットによるホルストの「惑星」、と次々とたいへん興味深い演目が。
でも、なんと申しましても、たまげてしまいましたのがムソルグスキーの「展覧会の絵」。伊藤康英氏の編曲・構成により、シラー、ゲーテ杜甫李白などの語を用いた合唱曲が加わる「二台八手ピアノ・サクソフォーン四重奏・混声合唱吹奏楽のための交響的カンタータ」。プログラムで編成を見た時には、なんとなくバランスがよくないような、と思ったのですが、演奏がはじまりましたらもうもう。吹奏楽はたまに音がひっくり返ってしまったりはしたものの、弦楽器抜きでもまったく物足りなさを感じることなし。東京混声合唱団がすごい、ということもあるのでしょうが「展覧会の絵」に合唱がこんなに合うとは!。曲の途中で何度も鳥肌が立ち、うるうるしてしまいそうに。久々に、大きなホール全体が感動に包まれるのを実感。
最後に「アメイジング・グレイス」を観客も含め全員で演奏をし、終演。開演は7時で、会場を出ましたのは9時45分。時間の長さを感じさせない、盛りだくさんの素晴らしいコンサートでした。