今度のお家は狭いんだ



空いた時間を使って、このところ週に一回ほどベビーシッターをしております。土地柄もあってか、驚くほど裕福な家庭ばかり。先日伺ったお宅は、六本木ヒルズから歩いて1分ほどのところにございますマンション。麻布から引っ越したばかりとかで、保育園からの道すがら「今度のお家は狭いんだ」と4歳の男の子が恥らうのです。(そう、まあ場所が素晴らしくいいものね)、などと考えつつマンションに到着。コンクリート打ちっぱなしの壁のお洒落な内装のお部屋。いったい幾部屋あるのでしょう。広いではありませんか、十分過ぎるほど。「すごぉい。広いお家じゃない」と言うと、俯き「狭いよ。前のお家は三階建てで、もっともっとずっと広かったんだ」と。なるほど。生まれた時からそのような環境で育てば、今のマンションを狭く感じても無理ないですね。
今日、10日ぶりぐらいに同じお宅でシッティング。男の子が「この前から今日まで何してたの?」と言うので「え、そうねえ、ピアノの先生をしたり、あと、普段はいつも、事務所、会社でお仕事をしているのよ」と言うと「え、事務所でお仕事もしてるの?そんな話聞いてないよ。どうしてこの前言わなかったの?」ですって。わはは。どうして、君に私の全てを話さなくてはいけないのだ、と思いながらも「この前は、迷路のゲームをするのに忙しくてそんなお話する閑はなかったでしょ」と。
その後、帰り道のコンビニで見かけたダース・ベイダーについて尋ねられ「最初はいい人だったんだけど、途中からとても悪い人になっちゃたらしい」という私のいんちきな説明や、「キャップに人形が付いているお水を買いたい」と言うので、「あれはお水じゃなくてコーラ、ペプシ。コーラを飲むと骨が溶けるという噂があるのよ」という話について、あれこれ長時間、深く追求され、もうたじたじ。いやあ、子供というのは何事に大しても真剣、真摯。こちらがちょこっと話したことでもいつまでもよく覚えておりますので、いい加減なことは言えません。大変、でもとても新鮮。