道標



先週、初めて娘の彼に会う機会がございました。仕事中のイベント会場で、でしたので、軽くご挨拶をしただけ。そのすぐ二日後、娘と三軒茶屋のdeborah.で夕食をとろうとしておりましたら、たまたま彼もすぐ近くにいるということで合流。この時は落ち着いてゆっくりとお話を。印象は、ちょっとジョニー・デップ似。懐から鳩、帽子から兎…そう、マジシャンになったら似合いそう。
娘は昨年、高校の時からずっと付き合っていた彼と別れてからは「特に必要としていないから」と、BFはいっぱいいても彼はいない状態が続いていたのですが、本当に好きだと思える人に出会えてよろしゅうございました。日々、彼にしてあげたいことがいっぱいのよう。幸せそうでなによりです。
親が子供の交際相手に反対する、という話をよく聞きますが、私の場合は今まで一度も反対をしたことはございませんし、今後もおそらくないであろうと思っています。娘が彼のことが大好きで、彼も娘のことを大切に想ってくれているなら、それでよし。彼女の人生、なのですから。もちろん、彼女のこれからの人生に幸多かれと願う気持ちは誰よりも強いつもりでおりますが、「その人はやめておきなさい」などとどうして言えましょう。いくら親でも余計なお世話。私自身、当時3高と言われておりました、高学歴、高身長、高収入、の相手とお見合い結婚をしたのですが、今はこの状況(体たらく、とも)。ただ、お見合いとはいえ、自分で選び、好きになった相手でしたので、後悔はなし。その道が絶対に間違いだと判断したなら、違う道を選択し直せばいい。そして、たとえ道の先に何があるとしても、道を選ぶのは自分、であるべきだと。
娘は19歳。お年頃でもございますし「彼がいても別にいいから、食事でも。」というお誘いは多いよう。中には、待ち合わせは六本木、グランドハイアット東京のロビー、携帯で呼ばれて車寄せに出てみたら真新しいポルシェでお迎え、その後六本木ヒルズ内でイタリアンのお食事、「僕とつきあったら夏のバカンスはイタリアへ連れて行ってあげるよ」、などという、この不況を物ともしないバブリーなお話もあるようなのですが、今の彼はまったくそういったゴージャスなお話からは程遠いタイプ。雰囲気、思考がとてもよく似ている、と言われる娘と私。「お金があれば世の中なんでも思い通り」というタイプの人は好きになれないところも、私の娘だわ、と。私自身の失敗をもとに、娘には世間知らずにならぬよう色々な経験をしてみるよう勧めております。その経験が、娘にとってよき道標となりますように。