ブリキの小鳥



以前、ウィーンの玩具店で買い求めました、ブリキの小鳥。ぜんまいを巻くと、エサを啄む動作をいたします。オーストリアかドイツで作られたものかと思っておりましたが、今確認いたしましたところ、書かれた文字のアクセント記号から、どうやらチェコ製のよう。

ぜんまいといえば、昨日のNHKスペシャルは、「万年時計の謎に挑む」〜江戸時代の天才VS現代の技術者〜で田中久重(からくり儀右衛門)が製作した万年時計「万年自鳴鐘」のレプリカを100人以上が約1年かけて調査、復元、複製する過程を取材したもの。
この万年時計は、真ちゅう製のぜんまいを一度巻くと、一年間も動き続ける設計になっているとか。時計側面には、季節によって変化する和時計やフランス製の懐中時計など、6種類の時計を埋め込まれておりまして、時刻のほか、月の満ち欠けや二十四節気を知ることができ、カレンダーとしても使え、更に天頂部には、季節によって変化する太陽と月の軌道を表すプラネタリウムまで設置、という驚くべき構造。日の出、日の入りの時刻に対応する和時計に使われた、虫のような形をした歯車の仕組みなどたいへん興味深い内容でした。
田中久重。弟子によりますと、彼は日々研究や製作に忙しく、平均睡眠時間は2、3時間だったとか。彼が残した多くの品々を見ますと、さもありなん…と。