妄想



高熱で朦朧としている時というのは、普段とは違う世界に入り込んでしまったようで、それはそれで楽しいもの。今回一番心の支えになったのは、私はヴィオレッタという妄想。わはは、これではまるで心までも病んでしまったかのようですが。熱は高く咳も止まらずあまりに辛い時に、思わず口をついて出た言葉が「アルフレード」。そう、その時私はオペラ椿姫のヴィオレッタ。小間使いのアンニーナに「彼が訪ねてきたのでは?」と弱々しく問いかける女主人。
そうそう、一度など船の汽笛が聞こえたような気がした事もございまして、今起き上がってブラインドを開けたらきっと窓の向こうには港の風景が広がっているはず。そのときは「ピンカートン」と呟いてみたりして。どうやら私の妄想の基本はオペラの悲劇のヒロインになりきることのよう。と、ここまで書きましたら久々に空腹感が。嬉しいわぁ。さてさて、何か作って食べることにいたしましょう。