箱入り娘



確か、浅草の仲見世で母に買ってもらいました小さな着せ替え人形。桃色の箱の銀の台紙に、長襦袢、振り袖、被布、帯などと共に、糊で貼り付けられたお人形。手足も動くように作られておりまして、台紙から外して実際に着物を着せ替えて遊ぶ事もできます。写真の二体。左は私が子供の頃に、右は娘が小さな頃に買ってもらったもの。作りから同じお店で買い求めた品かと思うのですが、人形の顔といい、着物の作りといい、私の人形の方が圧倒的に手が込んでおりまして、丁寧な仕上がり。娘の人形の焦点の定まらない目を見ていると、繊細であった日本人の手仕事がだんだん雑になってきてしまっているようで、少し悲しくなります。