冷たいお寿司



もう一つの定番手土産、寿司折。これには子供の頃、大変な思いをさせられました。とは申しましても、お寿司にはなんの罪もなく、寿司折りを持ち帰った父に、なのですが。
寿司折を持ち帰りますのはたいてい夜中過ぎ。酔ってかなり上機嫌で帰ってまいりました父は、せっかく持ち帰った美味しいお寿司を家族に食べさせようとするのです。夜中の2時過ぎに子供部屋のドアが開き「おい!emimi。美味しい寿司があるぞ。食べるか?」と。母が後ろから「もう寝てるんだから」と止めても、なんとしても父はききません。朦朧としながら台所へまいりまして椅子に座り「銀座の最高の寿司だぞ。どうだ旨いだろう?emimiは海老が好きだろう。さあ、どんどん食べなさい」と、うつらうつらしながら海老やらイカやらマグロやら、勧められるままに食べ、母に「さあ、もういいから寝なさい」と促されまたお布団へ。
もしくは、運良く?起こされずに済みました時には、翌朝、冷蔵庫から出された冷たくてご飯がこちこちに固くなったお寿司が朝食として出されるのです。冷え切ったお寿司はご飯が固まってしまって、ワサビをお箸で取り除くのが、とても難しかったのが思い出されます。冷たいお寿司、こちらも懐かしの味。