グルメ天国



音楽にせよ、美術にせよ「芸術」と一般的に呼ばれる分野の仕事に携わっているいる人々は、おしなべて快楽至上主義である事が多いように思います。美しい物を見る目の喜び、美味しい物を食べる口の喜び、良い音楽を聴く耳の喜び、そして心地よい感触を楽しむ触れる喜び…。
先日ある雑誌を読んでおりましたら、「ウィリアム・テル」や「セヴィリアの理髪師」で有名な作曲家、ロッシーニが37歳の時に、突然作曲家生活からの引退を宣言し、レストラン経営とトリュフを探すための豚の飼育を始めた、という話が書かれておりました。ロッシーニは作曲家としてだけではなく、美食家としても名を知られておりまして、今でも「ロッシーニ風トルネード」という、フォアグラとトリュフを乗せて焼き上げた牛フィレのステーキがパリでは定番メニューとして残されているとか。なんて美味しそう。このロッシーニがパリで開いたレストランの名前が「グルメ天国」。ちょっといただけないネーミングでしてね…。「ロッシーニ風トルネード」を出すレストラン、東京にもございましたらこちらは是非一度いただいてみたいです。
追記:ロッシーニ語録「私は今までに二度泣いたことがあります。最初はパガニーニを聴いた時。二度目はある船遊びの折、ピエモント産のトリュフが一杯詰まった七面鳥が船から落っこちてしまった時です。」