柵の向こうは?



有馬の湯は「金の湯」と呼ばれているのだそうですが、実際には塩分の強い鉄錆色のお湯。湧き出た時は無色。空気に触れると酸化して色が付くのだとか。
御所坊のお風呂「金郷泉」。写真ではちょっと分かり難いかと思いますが、このスロープを下り、やはりまるで迷路のような浴槽内を奥へ奥へと進みますと突きあたりに「金泉」という石積みのお風呂が。とても静か。見ると横に低い柵がございまして、反対側にも同じような石造りのお風呂が。
一緒になりました若いお嬢様方と「あちらのお風呂はなんでしょう」「どうやって入るのでしょう」「柵を越えていけばいいのでは」などと話しておりましたが、「もしかして男湯では?」・・・・・と、そうだったのです。ばしゃばしゃ。おおっ、入ってまいりました。なんとこちらのお風呂、立てばお互いに丸見え、という半混浴の造り。
滞在中数回こちらのお風呂に入りましたが、境目に仁王立ち、というような不心得な方はもちろんいらっしゃいませんで、男性方も気を使われて息を潜めている気配が伝わってまいりました。ほどよい緊張感の漂う「金泉」。