BGM



ここ数年訪れる機会がなく知りませんでしたが、最近流行りのラーメン屋さんではBGMとしてジャズを流すお店が増えてきているのだそうですね。ラーメンにジャズ、違和感はないのでしょうか。意外と合うのだったりして。その場を訪れる多くの人達が少なくとも不快だと感じない、そして流す事によって更に快適な空間になるような音、音楽。BGMというのは難しいと思います。
たとえば旅館。草津で宿泊いたしました山本館のお風呂の脱衣所には、いかにもBGMというポピュラー音楽が流れておりましたが、これは少々もったいないように思うのです。湯船に注ぎ込むお湯の音、入浴客が使う桶の音、微かに聞こえる街のざわめき。こういった音だけで十分かと。もしくは、もっと雰囲気に馴染む音楽があるのでは。夜、草津の町を散策して戻りますと、もう山本館の玄関は灯りが落とされ、行灯が一つ灯されているだけ。そしてそこに響くのは「チクタクチクタク…」という古い掛け時計の音。これは、音楽ではありませんが、まさにその空間にぴったりのBGMだと感じました。
BGMについて少々検索をしてみましたところ、社団法人 日本バックグラウンド・ミュージック協会のサイトにはこのように。

バックグラウンド・ミュージック(BGM)は、心理学で「背景音楽」と訳されており、バックに流れている音楽や音なら、なんでもBGMと考えていいわけではない。音楽が持つ、緊張をほぐして気持ちをリラックスさせる、イライラなどのストレスを軽減する、浮き浮きと気分を高揚させる、などの効用を使い、ショッピングをする、食事をする、仕事をする、あるいは医療を受けるなど、その場所が持つ目的を最も効果的に実現するためにつくられたプログラム音楽のこと。

なるほど、きちんと考えてプログラムされた音楽のみをBGMとしているようです。という事は、鳥の囀りや、波や風の音などの自然の音も、その音を楽しんでもらう為にあえて何も音楽を流していない場合にはBGMと考える、ということですね。