サイン



昔々、丸の内に本社のある某重工業の喫茶室でアルバイトをしていた時期がございました。ちょっと記憶があやふやなのですが、確か「応接室」という名前が付けられておりまして、主に社員が来客との商談や会議などに使っておりました。

この喫茶室、システムが変わっておりまして、注文を受けましたら必ず指でサインを送るのです。そのサインをカウンターで待機している他のスタッフが受けて、厨房に注文を伝えるのです。例えば、普通に指を上に向けたピースでしたらホットコーヒーが2つ。指が下向き3本でしたらアイスコーヒーが3つ、親指と人差し指でエルを作ってから指を一本立てたらホットレモンティーが1・・・という具合に。

広い部屋でしたので、奥のお客様の注文を取った場合、注文を取った本人が厨房へ戻る前に注文した品物を持ったスタッフがお客様のテーブルへ向かうという事もあり「早いね!どうして?」と良くびっくりされたものでした。今年、本社が移転してしまい「応接室」のあった場所は、あるファッションブランドの店舗になってしまったとか。ユニークなあのシステムは、今も何処かで受け継がれているのでしょうか。