小公女



以前にもお話いたしましたが、ずっともう一度読みたいと思っておりました「小公女」。この図書館にならあるかもしれない、と調べてみることにいたしました。

検索では「小公女」で223件も。一つ一つチェックをしていき、おそらくこれではないかしら、と資料請求いたしましたのは、昭和30年出版の『講談社の絵本 小公女 文 横山美智子 絵 高畠華宵』。

待つこと数分、名前を呼ばれてどきどきしながらカウンターへ受け取りにまいりますと「え・・・違う・・・」。装丁があまりに記憶と違います。絵には見覚えがあります。やはり高畠華宵の絵だったようです。でもこの本はその名のとおり絵本。文章も少なく、私が持っておりましたのは、この本ではありません。それでもうっとりとするような美しい挿絵ですので、じっくりと時間をかけて数回読み返して満喫。カウンターに返却した後、再び検索用PCに向かいます。

今度は「小公女」「高畠華宵」で検索いたしますと、出てまいりましたのは二冊。そのうち一冊は今読んだばかりの絵本ですので、という事は・・・昭和28年出版『偕成社 世界名作文庫 原作バーネット 著 芝木好子 絵 高畠華宵』。これを再び請求いたしまして、カウンターで手渡された本。嗚呼、カ、カーマイケル君、私が探していたのはこの本だよ!懐かしい。閲覧席でページをめくると、

・りっぱなサーラ
空の暗い、さむい冬の日のことでした。
イギリスのロンドンの町には、霧が濃くたれこめていて、どの店々も夜のように灯りをつけていました。その霧のなかから、一台の立派な馬車がゆっくりと大通りを通ってゆきました。
その馬車のなかには、やさしそうなお父さまによりかかった、ひとりのかわいい少女が、つぶらな瞳で、町のすがたや、通りすがる人を窓からながめていました。



そうです、間違いありません。この本です、この書き出しです。うわぁ、幸せ。時間が遅くなってしまいましたので、すべてを読むことはできませんでしたが、あそこに行けばいつでも会えるのですもの。また、ゆっくりと読みにまいりましょう。